政治•経済 鳩山由紀夫元総理に聞く平和への戦略的思考②
鳩山由紀夫元総理に聞く平和への戦略的思考②
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2025/11/10

 

―  抗日戦勝記念式典には、 70周年の時も行かれたのですか?

鳩山 70周年は行ってない。今回は呉江浩・駐日中国大使が、6月初め頃にこの部屋に来られ、 中国外交部からの招待状を手渡し、式典の目的と私を招待する理由を説明された。日本にとってはナーバスな式典であることは承知していたが、参加することにした。70周年の時は村山元総理が行かれたが、体調を崩されて式典には出席されなかった。

10月17日に逝去した村山元総理の戦後50年「村山談話」は旧植民地の国々から評価された

 

― 村山元総理は、社会主義者というのもあるのでしょうけど、 中国では人気があるようです。

鳩山 そう思いますよ。日本の評価とはだいぶ違います。 

―  違いますよね。 

鳩山 村山さんは、戦後50年の村山談話で、過去の侵略戦争や植民主支配への謝罪をされた。ある意味一番真面目に、歴史問題に対処した日本の総理なので、評価されているのだと思います。

―  帝国主義や植民地支配を旧帝国主義国の首脳が謝罪したのは、 村山元総理が最初じゃないですか。

鳩山 そうでしょうね。

―  もうすぐお辞めになる石破総理も、自民党内では穏健派です。 

鳩山 そう思います。私は石破さんが、総理在任中に80周年談話を出して貰いたかった。その中で、過去の歴史に対する反省の言葉を述べて頂ければ、 意義があると思う。自民党内の力関係で出せないのなら、もったいないですよ。 

―  出せないのですか。 

鳩山 明日が自民党の総裁選挙ですからね。総理在任中に出されるのかどうか。

(石破前総理は10月10日に戦後80周年メッセージを発表)

 

―  石破総理には中国から招待状は来なかったのでしょうか。 

鳩山 石破総理に招待状が来たかどうか、私は確認していません。 

でも、招待されれば、出席していいと思う。ノルマンディー上陸作戦70周年記念式典にメルケル首相が出席した。 昨年の80周年もショルツ首相が出席している。負けた戦争の式典に行くのはけしからん、という話ではなく、今の友好関係を築く為には、招待されれば、行くべきと思います。私は行ったことに悔いはないし、総理大臣はともかくとして、駐中国日本大使ぐらいは出席されるべきではなかったかな、と思います。 

―  他の国に出席しないでください、と言っていたと伝えられました。 

鳩山 そうそう、そう言っているらしいですよね。 外務省も、そこまでやるのかと思いますよ。 本来だったら、アメリカが出席してもいい式典だと思います。 

―  言われてみれば、その通りですね。 

鳩山 現在の中米関係を考えてアメリカは出席しないのでしょうけれど、 参加すれば、 中米両国の友好をより温めることができますからね。 

過去の敵味方ではなくて、 現在の関係を良好にする為に行くべきではなかったかな、と思っています。 

―  日本と中国の仲が悪くなれば、 日本がアメリカと交渉する立場も弱くなると考えられます。日中関係が良好なら、トランプ大統領も、あまり無理な要求は言えなくなる。 

鳩山 そうですよ。中米関係も、日中がより良好な関係になることで、 中米関係にも良い影響を与えますからね。ですから、そういう意味で、今こそ日中関係をより良好にする為の戦略的な外交をやるべきだと思います。

聞き手(高橋寛)

高市早苗氏、村山富市首相に「先の大戦、勝手に謝っては困る」1年生議員のときに追及

 

日本政府首脳が、欧米の旧帝国主義諸国に“魁がけ”、過去の植民地支配を謝罪した事実は、1919年のパリ講和会議で、「人種差別撤廃」を主張した事実と同様、日本外交にとって偉大なレガシーとなっている。

補足すると、第2次大戦の惨禍については、吉田茂、岸信介といった歴代総理や、安倍晋三元総理の「70年談話」でも謝罪の言葉が述べられている。

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