政治•経済 東アジアが世界で最も危険な地域であると言えるワケとは?
東アジアが世界で最も危険な地域であると言えるワケとは?
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2025/11/11

 今日、世界各地で紛争が続くなか、東アジアの地政学的な緊張は特に高まっている。ウクライナや中東での戦争に注目が集まっているが、真に危険な火種を抱えているのは東アジアかもしれない。

 ヨーロッパにはEU(欧州連合)、アフリカにはAU(アフリカ連合)、東南アジアにはASEAN(東南アジア諸国連合)など、多くの地域に国家間の協調を促す強固な枠組みが存在する。これらの枠組みは、加盟国間の経済的・政治的な連携を深め、共通のルールと対話の場を提供することで、紛争の勃発を防ぐ重要な安全弁の役割を果たしている。

 しかし、東アジアには、これらの地域に見られるような包括的かつ拘束力のある地域的枠組みが存在しない。日本、中国、韓国、北朝鮮、そして台湾といった国や地域は、歴史認識、領土問題、政治体制の違いといった複雑な課題を抱え、国家と国家が直接的に対立する構図が長らく続いている。この枠組みの空白は、偶発的な衝突や意図せぬエスカレーションのリスクを高める。危機が発生した場合に、共通のルールや対話のチャネルがないため、迅速かつ平和的な解決を図ることが極めて困難となる。この体制的な脆弱性こそが、東アジアを危険な地域たらしめている根本的な要因の一つである。

 そして、東アジアの危険性をさらに高めているのが、米国と中国という二大国間の熾烈な対立の最前線となっているという地政学的な現実である。経済力と軍事力において世界を二分するこの二大国は、貿易、技術、人権、そして安全保障といったあらゆる分野で競争を繰り広げている。東アジアは、この競争が最も顕著かつ具体的な軍事・安全保障問題として現れる場所である。

 特に、台湾海峡を巡る問題は、世界で最も危険な紛争の火種として国際的に認識されている。米国は台湾の安全保障に関与する立場を取り、中国は台湾を自国の領土の一部と見なして統一の意思を崩していない。この両者の主張が正面から衝突する場所が台湾海峡であり、一歩間違えれば、米中間の直接的な軍事衝突へと発展しかねない。また、朝鮮半島も同様に、核・ミサイル開発を進める北朝鮮、それを支援する中国・ロシアと、米国・日・韓の同盟国が対峙する、冷戦時代の構造がそのまま残る地域である。南シナ海での中国による軍事拠点化の動きも、この地域での緊張を一層高めている。

 このような状況下で、東アジアの各国はどちらかの大国につくことを迫られる分断の危機に瀕している。地域全体の安定よりも、大国間の勢力争いが優先され、各国が軍備増強を加速させる負の連鎖が続いている。地域的な協力枠組みがないことに加え、二大国のパワーゲームの舞台となっていることが、東アジアを世界で最も地政学的に不安定で危険な地域としている最大の理由なのである。

(ジョワキン)

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