政治•経済 人口減少と経済成長とは相関関係にはない
人口減少と経済成長とは相関関係にはない
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2025/11/09

日本の人口が14年連続で減少している。2024年の減少は55万人となった。内閣府は人口減少による経済へ及ぼす影響として「人口増加率が鈍化したりマイナスになるなかで、他の条件が一定であれば、経済全体としての成長率も低下ないしマイナスになる可能性が高い」という認識を示している。政府のネガティブな認識における発信によって、「人口減少が進む中での経済成長は見込めない」、「人口減少社会下では公共工事は税金の無駄使いだ」という風潮が大勢を占めるようになっている。だが、本当にそうなのか。経済成長は労働者の頭数に比例するものではない。経済成長は生産性の課題である。効果的な投資を行い、生産性を向上すれば、それに伴い経済は成長する。例えば、シンガポールは少子化が急速に進み2024年の特殊出生率が0.97となっており日本の1.15を大きく上まわる。シンガポールの2024年の経済成長率は4%、日本は0.8%であり大きく水をあけられている。シンガポールでは積極的に投資してきた半導体などの製造業が経済成長を支えている。一方、日本はというと半導体はもとより世界に冠たる日本メーカーの多くは外資に売却されてきた。ソニー、中外製薬、日本ペイント、日産、ドン・キホーテ、シャープ、日立金属、日興コーディアルなど数えきれないほどの日本の代表的な企業が外資に支配されている。政府が適切な投資を促し企業の生産性の向上をリードしていたらこのような経済の空洞化は起こりえなかった。少子化が進む中で経済成長を遂げてきたのはシンガポールだけではない。タイも韓国も同様に人口減少下で経済を成長させてきた。ジョージアは直近30年間で20%以上も人口が減少している。それでも直近10年で平均して毎年4%程度の経済成長を果たしている。ジョージアの経済成長は政府主導の魅力的なビジネス環境によるものが要因として挙げられるが、それと並行して、労働者一人当たりの資本装備率を高めることが生産性の向上に繋がっている。

かつて日本の高度成長期は生産性が7%も向上していた。国によるインフラ投資、企業による設備投資など必要な整備を適切に行えば人口減少とは関係なく経済は成長するのである。人口減少を受けて投資を怠ると日本の貧困化が更に進むことになる。多くの国々が人口減少下であっても日本を遥かに上回る経済成長を遂げているという事実から政府は目を逸らしてはいけない。(坂本雅彦)

 

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