政治•経済 社会•事件 米国、韓国の原子力潜水艦保持を容認で中国大慌て
米国、韓国の原子力潜水艦保持を容認で中国大慌て
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2025/11/20

10月30日、トランプ米大統領と中国の習近平国家主席が韓国で会談した。世界市場を揺るがしてきた広範な貿易摩擦の沈静化を目指す両首脳による対面での協議だったが、それは約1時間半で終了した。

識者の間では、この会談を「中国の勝利」とする評価が目立つが、これに異を唱える論評もある。中国優位の理由はレアアースだ。この切り札を切れば、米国は台湾について譲歩せざるを得ないというのが通常の見立てだった。ところが実際の会談では、台湾については議論されなかった。

 実は30日の会談の直前、トランプ氏は自身のSNSで「韓国の原子力潜水艦の建造を承認した」ことを明らかにしている。韓国は、原潜には核兵器を搭載しないとしているが、その一方でトランプ氏は同日、米国防総省に核実験の再開を指示したことも明らかにした。

このトランプ氏による核実験再開宣言は、韓国で中国の習近平国家主席と会談する直前に出された。核実験の主な目的は、核兵器の開発・性能確認と性能維持だ。また、核爆発を伴わない臨界前核実験の場合、核兵器の近代化や維持管理に必要なデータを収集する目的から行う。どの形式を採るのかトランプ氏は明言していない。

 が、米国の核実験再開は諸刃の剣でもある。米国が核実験を実施すれば、中露両国は国際社会から大きな批判を受けずに堂々と核実験できるからだ。特に、中国にとっては、核実験の回数が米国やロシアと比較して圧倒的に少ない。中国は核実験を増やすことで核兵器の性能を向上したいはずだ。

 ちなみに、米国の核実験回数は約1030回、ロシア(旧ソ連時代を含む)715回、中国45回、仏210回、英45回と米国のデータ蓄積度は圧倒的である。ただしトランプ氏も「4、5年も経過すれば、中国は我々と同じ水準になるはずだ」とこれには警戒感を隠していない。

 ただ米国が核実験を行うということは、新たな分野、あるいは同盟国用に核兵器を開発することができる。韓国の原潜は米国で建造されるだろうから、米国の兵器が搭載可能な構造になることは容易に察しがつく。米国の新型核兵器を搭載した韓国の原潜が台湾海峡を潜航した場合、中国の台湾侵攻は不可能となる。

 会談直前に習氏はトランプ氏から核実験再開&韓国原潜という往復ビンタを食らったわけで、これで凍り付いてしまい、習氏は台湾の「た」の字も切り出せなかった。

 習氏は軍に対して2027年までに台湾侵攻の準備を終えるように指示をしているが、習氏子飼いの軍高官まで次々に粛清されており、現実的に武力侵攻は困難な情勢だ。

少しばかり蘊蓄を傾けさせてもらえば、海中最強のギャングと恐れられるジョーズことホオジロザメ(中国)も、自身の腹(肝油)を好む海の王者シャチ(米国)の気配を感じただけで、お気に入りの餌場を放棄し、這う這うの体で逃げ去る。

中国は日本がその気になれば、5年で核保有できると信じて疑わない。言うだけなら予算はいらない。(梛野順三)

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