連載『俺の名前は三遊亭はらしょう』vol.57『万博フィナーレ~その2』
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2025/10/29
夕方、俺と母は夢洲駅に到着した。
東ゲートには、入場できなかった人も花火を観覧できるスペースが作られ、少しでも
この祭りに参加したい熱い思いが伝わって来る。そこにも、花火があがっているよう
に見えた。
ゲートをくぐると、大屋根リングはライトアップされ、遠目からでも群衆がびっしり
である。
「未知との遭遇みたいやな♪」
母はそう言いながら、映画の曲を口づさんだ。一瞬、妙にマッチして、本当にUFO
が降りて来るように見えた。口づさんだ母本人が、
「ひぃ~」
とビビった。こんなにセルフでUFOを怖がる人を初めて見た。
そのまま、俺と母は宇宙旅行に出かけるような気分で大屋根リングに上がった。
「あっ!ヘリコプター!」
母がはしゃいで空を見あげた。
「わ~!」
俺も同じ位はしゃいだ。
暗い空には、ざっと見ても十機ほどの報道のヘリコプターが旋回していた。異様に怖
かった。『未知との遭遇』から、なぜか『地獄の黙示録』のようになっていた。
(つづく)
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