政治•経済 高市早苗首相とトランプ大統領の潜在的相性:日米同盟の新展開をめぐる考察
高市早苗首相とトランプ大統領の潜在的相性:日米同盟の新展開をめぐる考察
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2025/09/26

2025年、仮に高市早苗氏が日本首相に就任した場合、日米関係は新たな局面を迎えるだろう。高市氏は自民党内の保守派を代表し、安倍晋三元首相の路線を継承するナショナリストとして、憲法改正や防衛力強化を強く主張する。一方、ドナルド・トランプ米大統領は、再選後の「アメリカ・ファースト」外交を推進し、貿易不均衡の是正や同盟国への負担増を求める。両者の相性は、イデオロギーの親和性から生じる協力可能性と、地政学的現実がもたらす潜在的摩擦の双方を内包する

 まず、両者のイデオロギー的共通点を検討する。高市氏の外交政策は、対中警戒を基軸とし、日米同盟を「自由で開かれたインド太平洋」の柱とする。これはトランプの中国牽制戦略と一致する。トランプ政権下で強化されたQUAD(日米豪印)枠組みは、高市氏の「積極的平和主義」と高い親和性を持ち、対中抑止力として機能するだろう。両者ともポピュリスト的アプローチを好み、国内支持基盤の強化に強硬なレトリックを用いる。高市氏のメディア規制論は、トランプの「フェイクニュース」批判と共鳴し、首脳間の「ケミストリー」を生み出す可能性が高い。この点から、日米首脳会談は迅速な信頼構築を促進し、同盟の結束を強化するだろう。

 次に、経済・安全保障面での協力の可能性を分析する。高市氏のエネルギー安全保障重視の姿勢、特にLNG輸入多角化の提唱は、トランプのエネルギー輸出拡大政策と整合する。貿易面では、トランプの関税引き上げ要求に対し、高市氏の産業保護主義が柔軟な交渉を可能にするだろう。防衛面では、高市氏の「敵基地攻撃能力」保有論が、トランプの同盟国への負担分担要求に応じる形で、防衛費増額を後押しする。これにより、日米は対中包囲網を強化し、台湾有事への共同対応力を高める。こうした協力は、米国のアジア回帰を加速させる要因となる。

 しかし、潜在的摩擦も無視できない。トランプの取引的(トランザクショナル)外交、すなわち短期的な利益を優先するアプローチは、在日米軍の縮小要求に繋がる可能性があり、高市氏の同盟依存戦略に試練を課す。高市氏の歴史修正主義的傾向は、トランプの取引的姿勢と必ずしも噛み合わず、沖縄基地問題で緊張を招く恐れがある。さらに、気候変動対策への両者の懐疑的姿勢は、欧州諸国との関係悪化を招き、日米の国際的地位を損なう可能性がある。これらの相違は、初期の協力ムードが薄れるにつれ、交渉の複雑化を招く。

 結論として、高市首相とトランプ大統領の相性は、保守的価値観の共有に基づく「好相性」を示す。日米同盟は一時的に再活性化する可能性が高いが、両者のナショナリズムが齎す自己中心性が新たな課題を生むだろう。この仮想的首脳関係は、21世紀のアジア太平洋秩序を形成する上で、戦略的パートナーシップの進化を予見させる試金石となる。

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