社会•事件 前宮古島市長の苦悩 銀行の横暴に屈しない! ①
前宮古島市長の苦悩 銀行の横暴に屈しない! ①
社会•事件

2024/11/11

コーラル・ベジタブルを地元の名産に

 今年四月、沖縄県宮古島市に本社を置く第三セクターが自己破産した。負債総額は1億円。この自己破産をめぐってゴタゴタが起き、それは半年以上経過してもなんら修復のめどさえ見せない。この先、事態沈静の兆しさえ見えてこない。関係者の誰もが困惑の体となって眉を顰めるが、いたずらに時間ばかりが過ぎ去っていく。まさしく泥沼││。

 市民の期待を一身に背負って発足したはずの第三セクターだったが、何が因となって破産に追い込まれ、引き続き、世にもまれなとんだ泥沼に落ち込んでしまったのか。

 その会社はコーラル・ベジタブル(以下、コーラル社)という。〝珊瑚・野菜〟なるいかにも沖縄の離島らしい名前の第三セクターが立ち上がったのは、今からさかのぼること8年前のことである。

 「宮古島の名産のひとつがアロエ。宮古島のアロエは実に良質でして、ほかに類を見ない。こいつを事業化して売り出せば宮古島の一大PRになること間違いないだろうということで、第三セクターを立ち上げたのです」。

 会社設立の中心人物で、前宮古島市長である下地敏彦氏はいう。宮古島市は、宮古島を中心に六つの島によって2005年、誕生した。下地氏は、同市二代目市長である。

 さて、問題のコーラル社は、下地氏の市長時代(※同氏の市長在任は、2009年~2021年の3期)より以前、宮古島市が誕生する6年前、1999年9月(※そのころは、平良市などの行政区分となっていた)に設立されている。本社建物は市の指定管理となっているビルに入り、それは今でもそうである。資料によると資本金は6650万円、『アロエベラジュースの製造販売を目的に宮古島市が第3セクターとして設立した』(JCネットの倒産情報資料より抜粋)ということだ。先の下地前市長が言う通りである。宮古島市としては満を持しての設立だったわけだ。

 同社としては、設立から20余年、懸命に事業に取り組んできた。市民の期待を担った事業会社なのだ。そう簡単にバンザイするわけにはいかぬ。石にかじりついてでも事業を開花、結実させねば末代までの笑いものだ│。

 「宮古島産のあろえべらをジュースにして瓶詰めしたものを目玉商品にして、そのほか、紅芋なども特産ですから、そいつをジャムなんかにしたりして、まあ、工夫していくつかの宮古島市ならではの商品を編み出し、売り出しました。紅芋のジャム(紅芋ペーストというそうだ)などは香港に輸出したりして、ええ、あちらでは好評だったですよ」(下地前市長)。

 順風満帆というわけではなかったろうが、それでも手探りながらそれなりの実績は積み上げてきた。

 ところが、新型コロナの悪影響が直撃した。ここまで堪えてきたのに無念極まりない、今年に入って同社はついに自己破産という禁断の決断に踏み切る。

 同社の倒産情報はこうなっている。

赤字経営が続き、宮古島市は2014年に所有株式を沖縄製粉㈱に譲渡し、同社の傘下でこれまで営業強化が図られてきた。しかし、健康食品ブームも消費不況もあり過ぎ去り、今般の新コロナ事態ではさらに売上高が低迷し、先行きの見通しも立たないことから、今回の事態に至った。

財産状況報告集会・一般調査・廃止意見聴取・計算報告の期日は令和4年6月20日午後2時。事件番号は令和4年(フ)第5号となっている。(JCネットより引用)

 なんとも儚いものである。20余年に渡る努力も奮闘も、こんなわずかな記載だけで何もかも葬られてしまうのだ。まさに諸行無常の響きあり、そのものである。

TIMES

社会•事件