社会•事件 献血血液39人分が搬送ミスで廃棄に 日赤のガバナンス欠如が深刻
献血血液39人分が搬送ミスで廃棄に 日赤のガバナンス欠如が深刻
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2025/08/31

 血液を無償提供する国民の善意で成り立っている献血事業を巡り、前代未聞の不祥事が起きた。

東京都赤十字血液センターが今月16日にJR大森駅前の献血バスで採取した39人分の血液が、血液製剤の製造所に運ばれる際、搬送業者不手際によって適切に管理されず、使用不能となり廃棄されてしまったのだ。わざわざ猛暑の中で出向いて献血に協力した39人の善意が台無しにされた形で、日本赤十字社は協力者へ謝罪を進めていると。

■発生から10日以上公表せず

東京都赤十字血液センターは、なぜか発生から10日以上も過ぎた8月28日、ホームぺージ上で今回の廃棄問題を公表した。

献血者の皆様の善意を活かすことが出来なく、心からお詫びいたします。今回の事態については、当該献血会場から製造所への搬送時に不備があり、長時間にわたり血液が適切に管理されない状態となりました輸血を必要とされる患者様の安全を最優先に考え、品質が保証できないと判断したため、誠に遺憾ながら、当該会場でご協力いただいた39名様分の献血血液すべてを、血液製剤として使用しないことといたしました

 説明文にはこう記されているが、搬送時にどんな不備があり、なぜ適切に管理されない状態になったのかという点については、具体的な言及が一切ない。

ただ、関係者によると、搬送を担った業者が搬送車両の駐車位置を失念し、預かった献血血液を持ったまま探し歩いたことで、搬送が本来の予定から数時間遅れた。献血の未着に気付いた日赤側の対応にも不備があったという。

■人的要因で廃棄は極めて異例

献血血液が、人的要因で廃棄に至るのは極めて異例で、搬送を担った業者の責任は極めて重い。だが、日赤側は委託している業者に適切に指導・監督することが重要であり今回の業者との連携が不足していた背景事情を分析し、再発防止を徹底すべきだ。

 献血事業を巡っては、同じ東京都赤十字血液センターで今年5月、冷凍庫の電源が落ちて保管中の血液製剤「新鮮凍結血漿(けっしょう)」(FFP)約1万3700本が使用不能となるトラブルも起きていた。ただ、国への報告が1か月以上遅れ、批判を浴びた。

献血を巡る不祥事が相次ぎ、日赤のガバナンス欠如は深刻だ。献血は国民の善意支えられており、その尊い厚意を無にするような管理体制の甘さは絶対に許されない。

 

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