政府は3月10日の閣議で、数々のヒット曲を生んだ作曲家として知られる都倉俊一文化庁長官(77)が31日付で退任する人事を決めた。 民間出身者として2021年4月から長官を務め、23年の文化庁京都移転などに尽力した。後任には4月1日付で伊藤学司文化庁次長(58)を充てる。 都倉氏はピンク・レディーの「UFO」「サウスポー」、山本リンダの「狙いうち」「どうにもとまらない」などを作曲し、日本音楽著作権協会(JASRAC)会長も務めた。当初の任期は2年間だったが、京都移転などのため延長していた。 戸倉氏が腕を振るったのが、25年春に京都で初開催した「MUSIC AWARDS JAPAN(MAJ)」で、これは大きな話題を呼んだ。 日本版グラミー賞とも言うべきこのイベントは、音楽業界にとどまらず、「日本文化を世界に売り込む」文化政策の新たな兆しとしても注目された。 旗振り役が都倉氏だった。同氏は、「文化財を守るだけでなく、どう発展させ、経済的に支えるかも文化庁の役割になっている」と熱っぽく説いた。 文化庁はMAJに、協力という形で計3億5600万円の支援を実施。都倉氏自身がプレゼンターを務め、海外アーティストの受け入れなどにも関与した。都倉氏は「これは文化行政の実験であり、今後は舞台や映画、アニメにも広げたい」と意欲を見せた。 文化庁の新たな文化輸出戦略が日本音楽から始まるか。(梛野順三)