2025/08/19
2025年9月3日、北京で中国人民抗日戦争・世界反ファシズム戦争勝利80周年記念式典が開催さ
れる予定である。この式典は、日中戦争および第二次世界大戦の中国戦線における勝利を記念す
るもので、中国政府が主催する大規模なイベントとなる。式典には軍事パレードや国家指導者に
よる演説が含まれ、国内外から多くの注目を集める見込みである。中国共産党中央軍事委員会の
習近平総書記が演説を行い、新たな戦闘能力の展示も予定されている。このような国家的行事は
、中国国内の愛国心を高揚させる一方で、歴史的背景から反日感情を刺激する可能性があり、近
年頻発する日本人への事件の増加が懸念される。
中国人民抗日戦争・世界反ファシズム戦争勝利80周年記念式典は、2015年の70周年記念に続く
重要な国家的行事である。この式典は、第二次世界大戦における中国の役割を強調し、国際社会
での影響力をアピールする場となる。中国政府は、歴史認識を通じて国民の団結を促し、現在の
地政学的緊張の中で自国の立場を強化する狙いがあると見られる。特に、尖閣諸島問題や台湾問
題を背景に、日本に対する強硬な姿勢が国内で強調される可能性が高い。
中国における反日感情は、1931年の満州事変(柳条湖事件)に端を発する日中戦争の歴史に深
く根ざしている。この時期、日本は満州を占領し、満州国を設立した。これが中国にとって屈辱
的な歴史として記憶され、9月18日は「九一八事変」として反日感情が高まる時期とされている。
特に、2012年の尖閣諸島国有化を契機とした反日デモは、日中国交正常化以降最大規模となり、
日本企業や日本車が破壊・略奪されるなど暴徒化が問題となった。このデモでは、広州や深圳な
どで日本総領事館や日系企業が襲撃され、警察との衝突も発生した。こうした歴史的背景から、9
月の記念行事は反日感情を再燃させる火種となり得る。
近年、反日感情は映画やメディアを通じてさらに増幅されている。これにより、歴史的怨恨が
現代の若者層にも浸透し、過激な行動に繋がる可能性が指摘されている。X上では、中国共産党が
経済不安や国内の不満をそらすために反日感情を利用しているとの見方が広がっており、式典を
前にさらなる緊張が高まることが予想される。
近年、中国での日本人に対する事件が頻発している。2024年6月には江蘇省蘇州市で日本人母子
が襲撃され、助けに入った中国人女性が死亡する事件が発生した。同年9月には、広東省深圳市の
日本人学校に通う男子児童が刃物で襲われ死亡する痛ましい事件が起きた。これらの事件は、中
国外務省により「偶発的」とされているが、反日感情の高まりと無関係ではないとの見方が強い
。特に、2025年の80周年記念式典が近づくにつれ、反日感情がさらに強まり、日本人への攻撃や
嫌がらせが増加する懸念がある。
2023年には、東京電力福島第一原発の処理水放出を巡り、中国国内で反日感情が再燃し、日本
大使館にレンガが投げ込まれる事件や、日本人への迷惑電話が相次いだ。これらの事例は、反日
感情が単なる感情にとどまらず、具体的な行動として現れる危険性を示している。Xの投稿でも、
蘇州市の事件後に日本大使館が注意喚起を行ったが、「注意喚起だけで十分か」と疑問を呈する
声が上がっている。
日本政府は、在中日本大使館を通じて在留邦人に対し、反日感情の高まりに注意するよう呼び
かけている。特に、9月18日の「九一八事変」記念日や、今回の80周年記念式典の時期には、デモ
や集会への関与を避け、不必要な外出を控えるよう指導している。しかし、過去の反日デモでは
、日系企業や日本人が所有する財産が標的となり、十分な保護が得られなかった事例もある
。2012年のデモでは、日系スーパーや自動車販売店が略奪・破壊され、経済的損失が深刻だった
。このため、日本政府は中国政府に対し、在留邦人の安全確保を強く求める必要がある。
北京での第二次世界大戦終結80周年記念式典は、中国の歴史認識と愛国心を強調する重要なイ
ベントであるが、反日感情の高まりを背景に、日本人への安全上のリスクが増大する可能性があ
る。歴史的な対立や最近の事件を考慮すると、日本政府および在留邦人は十分な警戒と準備が必
要である。両国間の対話と相互理解を促進し、感情的な対立を抑える努力が求められる。式典が
平和裏に終わり、日中関係がさらなる緊張へと進まないことを願うばかりである。
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