政治•経済 市場に意外感!東京エレクトロンが減益予想を発表
市場に意外感!東京エレクトロンが減益予想を発表
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2025/08/08

 7月31日、生成AI関連を中心に需要が強いとみられていた東京エレクトロンが、業績予想を下方修正し、2026年3月期の連結純利益を前期比18%減の4440億円となる見通しと発表した。

過去最高益を見込んでいた従来予想から1220億円引き下げ、一転して減収減益を見込んだわけで、この下方修正は意外感が強く、翌日の株価は一時18%下落している。

下方修正の要因を端的にいうと、①「来年の年明けの見通しが狂ったため」。②一部の顧客が半導体工場への投資計画を見直したため、需要の盛り上がりが半年ほど遅れるためだ。

だが何と言っても最大の要因は、中国という「地政学リスク」が業績予想を狂わせたことだ。昨年、同社の売上高の約半分を中国向けが占めるほど、中国市場への依存度が高まっていた。その内実を探るとごく簡単な理由からだ。

米中対立の激化による半導体製造装置への輸出規制を懸念し、中国の半導体メーカーが「買えるうちに買っておけ」という判断から、大量の装置を先行して調達したためだ。

 業界紙「電子デバイス産業新聞」の報道(23年2月)によると、中国の半導体メーカーはすでに”満腹”状態にあり、購入したもののクリーンルームに未実装のまま倉庫に置かれている装置がかなりあるとされている。

「このため同社は、日本からのフォーキャスト(予測)は『かなり弱気』であり、25年度は『相当厳しくなることを覚悟しなければならない』という見通しを立てざるを得ませんでした。中国の不動産不況を起点とした景気の悪化や、地政学リスクの高まりに伴う『脱チャイナ』の動き(世界各国の工場が中国から近隣アジア諸国へ移転)も、レガシー半導体(成熟世代向け)の需要をさらに押し下げる要因となったのです」(同紙記者)

東京エレクトロンの最新決算は、生成AI向け投資のペース鈍化と、特に中国市場におけるレガシー半導体製造装置需要の急速な冷え込みという2つの大きな懸念材料を浮き彫りにした。

これにより株価は一時的に大きく下落したわけだが、同社の市場シェアが奪われたわけではなく、半導体市場全体の長期的な成長性や、同社の技術的な優位性を勘案すると、中長期的には引き続き成長が期待できる企業であるという見方が有力だ。

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