政治•経済 社会•事件 わかもと製薬 病院長に違反送迎接待 10年超 コンプラ崩壊 隠蔽体質続く
わかもと製薬 病院長に違反送迎接待 10年超 コンプラ崩壊 隠蔽体質続く
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2025/06/29

 製薬企業と医師の癒着がここまで酷いとは驚きだ。「強力わかもと」で知られる東証スタンダード上場の「わかもと製薬」(東京)が近畿地方の有力な取引先病院の院長に社有車で送迎する労務提供を10年以上にわたり続けていたことが明らかになったスクープした読売新聞報道によると、わかもと製薬では「送迎接待」が常態化し、昨年12月には業界団体「医療用医薬品製造販売業公正取引協議会」から公正競争規約違反で指導を受け「医療用医薬品の取引を不当に誘引する手段として行われた」と認定されたという

▼国公立病院なら贈収賄事件にも発展しうる

公正取引協議会は自主規制団体だが、消費者庁と公正取引委員会の認定を受けて競争規約を運用し、製薬企業の監視・指導などにあたっている。規約違反というとわかりにくいかもしれないが、要するに今回の問題では、わかもと製薬が院長に送迎接待を重ねることで、見返りに自社の薬を使ってもらう狙いがあったとみられ、典型的な製薬企業と医師の癒着の構図が浮かぶ

 関係者などによると、わかもと製薬は2013年10月から2024年4月、この院長に対し、自宅と病院の間や、病院と他の医療機関の間の送迎を繰り返していたという回数は、ETC記録の残る直近5年だけでも900回を超えており、相当な頻度で送迎接待が行われていたようだ

 院長の病院における立場は相当強いはずで、どの製薬企業の薬を使うかなどを決める権限があってもおかしくはない。今回の病院は私立とみられるが、対象が国立大病院であれば、過剰な送迎接待を賄賂とみなし。贈収賄事件として立件されてもおかしくはない悪質なレベルにもうつる。わかもと製薬はもちろん、院長側にも猛省を促したい。

▼説明責任果たさず

そもそも、医師と製薬企業の癒着が薬の選定に影響を与えれば、患者もたまったものではない。ただ、酷いのはこうした不正が長期にわたり続いた点だけではなく、問題発覚後のわかもと製薬の対応だ。スクープした読売新聞や後追いした他紙の報道によると、わかもと製薬は一切取材に応じておらず、もはや人ごとと言わんばかりの不誠実な対応を続けているようだ。

わかもと製薬では、元取締役による会社資金の私的流用が数年前に発覚したが、この際も一切説明責任を果たさず、株主総会でも経営陣は説明を渋ったという。

ある株主は「わかもと製薬の隠蔽体質は一切変わっていないし、今後も変わらないのではないか」と呆れている。もはや、上場企業の体裁をなしていない。

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