政治•経済 社会•事件 制度は世界一だが「日本人男性の7割」が育休を取得しない
制度は世界一だが「日本人男性の7割」が育休を取得しない
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2025/06/28

 2025年4月より、育児休業の取得状況の公表義務の対象が従業員1000人超の企業から300人超の企業へと拡大した。

育児休業の取得率の公表を企業に義務づける法律は世界に類を見ない。男性の育休取得率の低さは、そこまで深刻なのだ。

育児休業制度が施行されたのは1992年のことで、23年度には30.1%に達したが、まだ約7割は取得しておらず、取得者の期間も約5割が2週間〜1カ月にとどまっている。

その理由は様々挙げられるが、最大の理由は金銭面だ。育休を取った場合、残業代等も含めた休業前の収入の3分の2が得られるといっても、元の収入がよほど高くなければ3分の1を失うのはかなりきつい。しかも子どもが生まれたわけだから出費は嵩む。

また一時的な減収については我慢するとしても、日本においては育児休業が病気など他の理由による欠勤と同じとみなされ、その期間中の勤務評価に空白が生じてしまうことで、昇給や昇格に影響することを心配する声もよく聞かれる。

これについては、当該期間を評価対象に含めないという特別措置を講ずる会社もあるが、他の従業員との公平性を気にして変更に踏み切れない会社も少なくない。

会社側としても子どもが生まれた社員を応援したいという気持ちがあっても、人手不足でそれどころではないというケースも多い。

会社の勤務形態にも育休を阻む構造がある。休業する社員のジョブが明確であれば、そのジョブを遂行できる代替要員や外部業者を充てることができるが、メンバーシップ採用型の伝統的な会社では、個々の従業員の業務が属人化してしまい、自分が休業を取っている間の仕事を新たな代替社員に任せるのは難しく、同僚への負担を考慮して休業取得に踏み切れないという声も聞かれる。

 さて給与である。国税庁の民間給与実態統計調査によると2023年の日本の平均給与は460万円(1年を通じて働いた給与取得者5076万人の平均値)だが、一方で、ここ4年間に1千万円を超す高給取りが26万人も増えており、平均値を引き上げているので、実態は平均に届かない人が全体の約6割に達している。

現在の日本は「年収500万円では結婚できない」と言われるから育休なんて眼中にないとなりはしないか。

また25年前の198年は465万円平均だったから長い期間でみると、ほぼ増えていないこともわかる。

平均値と別に注目しなければならないのが「中央値」だ。国税庁は中央値を明らかにしていないが、構成比から300万円台後半になるだろう。300万円の3分の2の保証では200万円しかならない。トホホである。

 日本も「妻が」ではなく「私たちが」妊娠しているという感覚が広まりつつあるが、子供はいらない。女の子が生まれれば終わりという家庭が増えている。ある小学校の新1年生28人のクラスのうち男子は9人。しかも9人のうち日本人は5人だ。少子化問題の根っこは、産む人がいないのではないのかもしれない。

 

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