2025/06/26
2025年大阪・関西万博で、注目されている環境技術、医療技術、通信技術が、すべて国際標準化への動きをみせている。旗振り役は経済産業省で、国際標準化に徹する理由は、同省が過去の反省に立っているからだ。
日本は高度経済成長時代に、米国の反対を押し切って大型電子計算機を開発した国として知られている。当時の通商産業省(現:経産省)の強力な支援の結果で、世界で電算機を開発できたのは、日米2カ国だけだった。
これが、日本に電子産業を根付かせ、半導体産業を勃興させた背景だ。結果、日本は台湾や韓国製の半導体と違い、半導体製造装置-半導体素材と一環生産できる唯一の国となった。日本が半導体製造に欠かせない「超純水」の韓国向け輸出をストップすると言い出した途端、同国がパニックに陥ったのは、こうした背景があるからだ。
高度経済成長時代、日本の大型電算機開発は、米国に邪魔されたので、国内だけで開発せざるを得なかった。これが繰り返された結果、日本の技術開発は「ガラパゴス化」というレッテルが貼られるに至った。日本の半導体が「落ち武者化」した理由もここにある。
現在、経産省は、産業技術総合研究所(産総研)やNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)を通じて、環境技術や次世代通信技術などの研究開発を支援。研究資金を企業や大学へ提供している。
一方で 最近の大学は、研究開発能力の低下が指摘されるようになった。研究予算や人材の不足が理由だが、産総研やNEDOは、こうしたギャップを埋めて、効率的・体系的な研究開発を後押ししている。
万博でお披露目された「お宝技術」は、すでに実用化に向けて動き出している。
大阪府・市と関西経済連合会などは、今年度内に大阪万博で展示されたiPS細胞や空飛ぶクルマなど最先端技術の事業化を支援する官民組織「最先端技術実装化センター(仮称)」を発足させる。
センターは、スタートアップを含む民間企業や大学、研究機関、金融機関など国内外の機関・人材をつなぐハブ組織の役割を担う。また、資金調達を含めた一気通貫型の支援体制を構築する意向だ。こうして万博はイベントからビジネスチャンスへと大きく飛躍する。
石破茂首相は4月5日、万博会場を訪れ視察。万博を通じ日本の技術を海外にトップセールスする強い意志をみせた。また首相は、国の重要政策に掲げる地方創生にもつなげる考えも披瀝している。
環境技術、医療技術、通信技術は、すべて日本が必要とする現状が生み出した技術だが、まず、人口減少の激しい地域へ導入して成果を上げることだ。これら3分野を地方経済衰退の歯止め役にしなければならない。
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