社会•事件 引き取り手いない無縁遺体 推計で全国約4万2000人 厚労省調査
引き取り手いない無縁遺体 推計で全国約4万2000人 厚労省調査
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2025/05/07

 亡くなった後に引き取り手がなく、全国の自治体が火葬や埋葬を行った「無縁遺体」が2023年度、約4万2000人に上ったことが厚生労働省の推計でわかった。年間の死亡者全体の2・7%に相当するが、無縁遺体の取り扱いに関する指針を定めている自治体は1割のみにとどまり、国や自治体による対応の充実化が求められる。

 無縁遺体を巡っては、過去に総務省が調査した結果、2018年4月~2021年10月で約10万6000人に上ったことが判明しているが、今回の厚労省の調査で単年度の推計が初めて明らかになった形だ。

自宅や病院で亡くなっても、引き取る親族らがいなければ、法律に基づき、自治体が遺体の保管や火葬、埋葬を行うが、対応業務が自治体の負担になっている。このため、厚労省が昨年、全国約1700の自治体を対象に初めて調査を実施。約1160自治体の報告を分析し、推計人数を算出したという

無縁遺体が多い背景には、独居老人の増加や未婚率の上昇、親族ら周囲との関わりの希薄化などがある。今後も身寄りのない高齢者が増えるのは確実、対策は喫緊の課題だ。


▼対応指針ある自治体は11%のみ

一方、厚労省の調査では、親族の探し方や遺骨の保管期間など、無縁遺体への対応に関する指針を定めている自治体は11%にとどまることも判明した。指針のない自治体では、業務が定型化されておらず、判断に困るケースが多い。こうした点も踏まえ、厚労省が調査結果をまとめた報告書では、自治体が親族に連絡する際のマニュアルを作成したり、火葬までの遺体の保管期間を定めたりすることが適当だと提案した。

人と人とのつながりが薄ければ、看取りや死後の整理は難しくなる。自治体が、地域のボランティア組織などと連携し、高齢者を見守る体制を整える必要もある。誰もが安心して人生の幕引きを迎えられるよう、国や自治体は早期の環境整備に努めるべきだろう。

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