2025/04/29
15年後には完全自動運転車が街にあふれている?総務省は強気なのか、はたまた能天気なのか
(写真 e-Palette(トヨタ)出典:トヨタプレスリリース)
日本政府は3月26日、日本企業の海外展開を後押しするため8分野の国家戦略技術を選定した。なかでも「モビリティ」は注目技術を結集して取り組む。全自動運転技術の国際標準になる日本企業のどこだろうか。
現在その国内1番手がトヨタの開発する「MTC=モビリティ・ティームメート・コンセプト」方式である。MTCは、ドライバーは運転を楽しむ自由を持ちながらも、必要な時には自動運転技術によるサポートを受けられるよう設計されている。例えば、高速道路では「ショーファーモード」を選択して自動運転を行い、都市部では「ガーディアンモード」による安全運転支援を受けることができる。こういう柔軟さがレベル5の全自動運転車(FAV)に必要な条件になるだろう。トヨタのFAV開発で、最終的なライバルとなるのは米国テスラだろう。テスラと言えば、マスクCEOがトランプ大統領の側近に名を連ね政治に没頭している。同社は米当局から「全自動運転」なる言葉の使用を禁じられており、マスク氏の目的は、全自動運転車実験の規制緩和にあると指摘する向きもある。
ちなみにFAV開発は5段階のレベルに分類される。
レベル1:ハンドル操作などを補助する
レベル2:システムが運転を部分的に支援する
レベル3:特定条件下でシステムが運転操作を行う
レベル4:特定条件下で完全にシステムが運転を行う(無人運転も可能)
レベル5:すべての状況でシステムが運転を行う=無人運転
FAVの出現がどれほど困難か。米国アップルは過去10年にわたり、1000億ドル(約15兆円)の研究資金を投入したが、最後は諦めるしかなかった。世界最高峰のIT企業ですら、放棄せざるを得ないほどの難物だ。トヨタは「交通事故死傷者ゼロ社会の実現」を目指し、先進運転支援システム(ADAS)など車両の改良を進めている。これだけでは限界があるので、車両やドライバーに加え、交通環境としてNTTの通信基盤「IWON=アイオン」技術を事故防止に生かすことにした。車と車、車と道路なども連携させて事故の予知や回避を可能にする技術だ。IWONは、次世代通信網「6G」の最有力候補である。世界標準技術化が予想される技術システムで日本にとっても「お宝技術」である。
総務省は「レベル4」の自動運転の普及に向け、26年度にも専用の電波を割り当てる。車線合流や隊列走行といった完全自動可能な安定した通信を行うことで、自動運転の精度を高める技術だ。米欧と同じ周波数帯にすることで、対応車両や関連部品の開発を後押しする。「ガラパゴス化」を避けるためだ。トヨタは、ソフトが車両の機能や特徴を決める「ソフトウエア・デファインド・ビークル(SDV)」の開発も進めている。NTTとの提携では、この車載ソフトとNTTの通信基盤に加え、両社でAI基盤を開発して組み合わせることにした。データを収集してAIに学習させ、危険な状 況を探知することで、ドライバーの安全運転を支援するのだ。
政府は2040年頃にレベル4の自動運転の一般化を目指すとしているが、さて。
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