社会•事件 六代目山口組が神戸山口組との対立抗争を一方的に終結宣言
六代目山口組が神戸山口組との対立抗争を一方的に終結宣言
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2025/04/28

ふたつの山口組が抗争終結宣言「誓約書」を兵庫県警に提出

(写真 二つの山口組の代紋  Wikipediaより)

 「六代目山口組」と「神戸山口組」との10年続く対立抗争で「えっ!」という動きがあった。4月7日、六代目側が兵庫県警に抗争の終結宣言と受け取れる「誓約書」を提出したのだ。「六代目山口組の森尾卯太男本部長、安東美樹若頭補佐、津田力若頭補佐の最高幹部3人が、六代目と神戸の両組織が本拠を構える神戸市を管轄する兵庫県警本部を電撃訪問し、『神戸山口組、池田組、絆會との抗争を終結する。今後一切揉めることはしません』などと記載された誓約書を提出し、一方的な“抗争終結宣言”をしたのです。山口組には前例があります。昭和50年に勃発した大阪戦争においてです。松田組との抗争に際して圧倒的な勝利を収めた後のことでした」(ヤクザ業界ライター)今回の場合も六代目の構成員6000人vs神戸2800人で始まった抗争は10年を経て、六代目が約3300人、神戸が120人と勢力に大きな差が付いた。

 ただ、誓約書提出は一方的なものであり、神戸側の意向がわからない以上、警察当局としては六代目側の主張を額面通りに受け取って「抗争が終結した」とは認めないだろう。六代目側の誓約書提出の狙いは、「特定抗争指定暴力団」の縛りを解いて欲しいという要望ではないかとする向きもある。というのも同指定は、指定暴力団同士が対立抗争状態にある場合、その暴力団の主な活動拠点を都道府県の公安委員会が警戒区域に指定して、区域内では概ね5人以上での集まりには中止命令などの行政手続きを踏まずに即逮捕できるほか、事務所などの使用も禁止される。六代目と神戸は、抗争が激化した20年1月に指定され、双方の主な拠点がある神戸、大阪、名古屋の各市などが警戒区域に設定されている。六代目側が、警戒区域外の愛知県や静岡県の傘下組織の事務所で集会を開くことがあるのはこのためだ。また今回の「宣誓書」は、髙山清司若頭名で出されており、司忍組長の名がないだけに重みのなさに疑問符が付けられている。その理由を探ると「山一抗争」終結時と同じく調停に動いた稲川会の姿が見え隠れする。今年に入り、稲川会の内堀和也会長は六代目の内諾を得た形で住吉会など全国の友好団体を回り、抗争終結にまつわる要望書を取りまとめた。これにより終結宣言は、六代目山口組の独断ではなく、友好団体の賛同を得たものであるというお墨付きを得たわけである。

 現在六代目山口組は、髙山若頭に代わって、竹内照明筆頭若頭補佐が新若頭に就き、新六代目体制に移行中だ。組織固めが終わった後、正式な形の終結宣言が出されるのではないか。神戸側には厄介な問題が持ち上がっている。神戸市北区にある神戸山口組の井上邦雄組長宅では、現在塀を高くする工事が進められている。井上組長は、新たな抗争に備えるための“要塞化”を進めているわけで、抗争終結の動きに沿うばかりか逆行する動きを見せているのだ。「井上組長の自宅は何度も六代目側からの襲撃を受けている。過去には、六代目の組員に拳銃を乱射されたり、ガソリンを撒かれたりした。それが25年1月にはエスカレートし、元六代目系組員の男が塀を乗り越えて侵入し、車2台と物置の一部を燃やし、住居侵入と建造物等以外放火容疑で逮捕されている。また拳銃を警察官に向けたとして公務執行妨害容疑でも逮捕されています。だから自宅を堅牢化しヒットマンの侵入を防ごうとしているのです」(同)。井上組長の自宅を巡る動きは、こうしたヤクザ業界からの攻めとは違う意味で攻勢にさらされている。4月16日、神戸地裁は井上組長宅に対し、強制競売の手続きを開始して土地と建物を差し押さえた。「井上組長は、暴対法の代表者責任を問われ、24年12月に大阪高裁から2億7000万円の損害賠償を命じられています。これを受けての強制競売の手続き開始なのです。現在井上組長側は、この民事訴訟の判決を不服とし、最高裁に上告受理を申し立てていますが、判決が確定したあとに支払いがないまま手続きが進めば、裁判所は入札を実施することになるでしょう」(全国紙社会部記者)井上組長としては、目の前で警察官が24時間警備しているし塀も高くしている。これで自宅に籠っていれば命を狙われないと思っているだろう。

 だが、今後の裁判所の判断次第では強制退去もありうる。そうなれば身の隠し場所に困る井上組長は、終結宣言を受け入れざるを得ない状態になるかもしれない。

 

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