2026/08/22
SNSで離合集散を繰り返す「匿名・流動型犯罪グループ(匿流=トクリュウ)」による凶悪事件を巡り、警察庁が抜本的な対策強化にようやく本腰を入れ始めた。トクリュウによる事件の深刻化を受け、警察庁が、捜査対象の通信内容を迅速に把握するための手法の検討を本格化させようと、有識者検討会を発足させたのだ。
トクリュウはテレグラムやシグナルといった秘匿性の高い通信アプリを利用し、強盗殺人などの凶悪犯罪を引き起こしており、捜査手法の見直しによる対策が不可欠となっており、早期の法改正などが求められる。
警察庁は、トクリュウによる犯罪を未然に防ごうと、法学者や弁護士らでつくる有識者会議を発足させ、8月10日に初会合を開いた。念頭にあるのが、憲法の定める「通信の秘密」や不正アクセス禁止法だ。
捜査機関といえども、トクリュウが悪用している通信アプリについて、例えば実行役への捜査で指示役のスマホなどの端末を特定した上で、指示役のやり取りを把握するのは、憲法違反や不正アクセス禁止法に抵触する可能性がある。
こうした課題を克服しようと、警察庁は関連法の改正も視野に入れており、有識者検討会で課題などを洗い出し、年内には提言をまとめたい考えだ。
トクリュウが多用するグナルやテレグラムなどの秘匿性の高い通信制アプリは、栃木県上三川町で5月に起きた強盗殺人事件でも使われていた。
実行役を摘発しても、アプリを使って犯行を指示する指南役や他の犯罪計画を特定することが困難な中、通信内容を迅速に把握できれば、犯行計画を事前に覚知して阻止することも可能となる。犯罪グループの摘発につながるのはもちろん、新たな標的となる被害者の保護においても効果的だ。通信内容の迅速な把握が、トクリュウ事件の捜査において大きな力を発揮するのは間違いないだろう。
有識者検討会の迅速な議論に加え、政府をあげて法改正に向けた具体的な措置を速やかに講じていくことが重要だ。(桜田亮)
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