2026/06/13
NHKの大河ドラマ「豊臣兄弟!」は、強い絆で天下統一を成し遂げた秀吉・秀長兄弟のサクセスストーリーで、天下一の補佐役、秀長の目線で戦国時代を描く物語だ。
とはいえ秀吉には、ゴマスリ行進曲が流れ、植木等が演じる正体不明の男が会社に入って、ゴマスリだけでスイスイ出世していく映画「無責任シリーズ」の“ちょんまげ版”的な匂いがする。
そもそもマキャベリズム満載の戦国時代に、ヒューマニズムを無理やり持ち込むのだから節々にちょんまげホームドラマ感が否めない。
その21話で、中野英雄氏が竹田城主・太田垣輝延役に扮し、サプライズで大河初出演を果たし、秀長役で主演を務める次男・仲野太賀との大河初共演を果たした。
中野氏は、ヤクザ映画の「Vシネマ四天王」と呼ばれる小沢仁志、白竜、竹内力、哀川翔に準じるヤクザ俳優として名を馳せた。
なかでも山口組の中核組織弘道会を描いた「実録 名古屋やくざ戦争 統一への道」(03年)では、髙山清司山口組相談役(前山口組若頭)の若衆時代を演じている。映画公開当時の髙山相談役は、バリバリの弘道会会長として君臨しており、警察庁の報告書は≪わずか26年という短期間で弘道会という組織を4000名(現在は推定2000人)の人員を擁するまでに強化した中心人物≫と名指されるほどの大物ヤクザだ。
思い出すのは、大部屋俳優からスタートし、殺され役を10年演じ、70年代の東映映画『仁義なき戦い』で大ブレイク。その後テレビドラマに進出し、遂には映画で主役まで務めた川谷拓三氏のことだ。
「川谷さんは怒るとヤクザのような鋭い目になって、本物のヤクザを相手に平気でケンカをしていました」と『仁義~』でヤクザ役の俳優・成瀬正孝氏が語るようにヤクザからも人気があった。
その子息仁科貴氏は、拓三氏にそっくりゆえに斯界からも人気があった。北野武監督や深作健太監督の作品等、映画を中心に活動し、役者として順調な滑り出しだったが、02年に大麻所持で逮捕され、執行猶予判決が下り謹慎した(現在は復帰)。
ヤクザ社会と芸能界は一昔前ほどの接近力はないとはいえ、仲野太賀氏の実父中野英雄氏が髙山相談役を演じたことは気になる部分である。(梛野順三)
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