政治•経済 社会•事件 赤字は過去最少なのに倒産増加 寿司店経営の構造転換
赤字は過去最少なのに倒産増加 寿司店経営の構造転換
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2026/07/23

「町寿司」受難の時代は、音もなく進んでいる。帝国データバンクの調査で、2026年1~6月に発生した寿司店の倒産は16件判明した。11件だった前年同期を5件・45.5%上回って推移し、年間では3年ぶりに前年から増加に転じる可能性がある。

倒産規模別では、資本金100万円未満の小規模な寿司店が43.8%を占めた。過去10年でも高い水準で推移し、昨今は手頃な価格で暖簾を守ってきた小規模な寿司店の倒産が多く発生した。

業績動向をみると、赤字割合が減少して、減益割合が増えた。25年度は赤字が18.8%にとどまり、過去20年で最も低かった反面、前年度から減益となった割合は33.9%に上り、4年連続で上昇した。この数字は寿司店経営の冷酷な現実を映している。同じ黒字経営でも、増益した店と減益した店の格差が顕著になったのだ。

帝国データバンクは集計結果をこう分析する。

「外国人客で賑わう店舗が多い一方、魚介類の価格上昇といったコストアップに加え、寿司職人の不足、特に町の小規模な寿司店では唯一の職人となる代表者の高齢化と跡継ぎ不在から、店を畳まざるを得ないケースもみられる」

低価格と豊富なメニューで大手回転寿司チェーンに大量の客を吸収され、高級店には格別感を満喫できる体験価値で及ばない。住民の居場所でもある町寿司には土地の記憶が宿っているが、閉店によって、地域から日常のひとコマが静かに失われてゆく。(小野貴史)

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