社会•事件 福井中3女子生徒殺害事件 再審無罪 名古屋高検が検証へ
福井中3女子生徒殺害事件 再審無罪 名古屋高検が検証へ
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2026/05/23

 再審制度を見直す刑事訴訟法の改正議論が紛糾している現状をけん制するためなのか、法務検察のメンツを守るためなのか――。1986年に福井市で中学3年の女子生徒が殺害された事件を巡り、名古屋高検が5月1日、殺人罪で服役後に再審無罪が確定した前川彰司さん(60)の通常裁判や再審への対応について、検証する意向を表明した。検察が自ら、無罪判決が確定した個別事件の対応について検証に乗り出すのは珍しい。名古屋高検は今後、過去に取り調べや公判を担当した検察官らにヒアリングをするなどして当時の対応が適切だったかどうかを調べ、報告書にまとめる見通しだ。

 

福井市の中3女子生徒殺害事件では、1997年に前川さんの懲役7年の実刑判決が確定。服役後の2022年からの第2次再審請求で再審開始が決まり、名古屋高裁金沢支部が昨年7月、再審無罪判決を言い渡した。この判決では、1審段階で有罪を揺るがす証拠が存在していたのに、検察官が第2次再審請求審まで開示しておらず、開示していれば実刑判決確定の前に無罪になっていた可能性があると指摘。「公益を代表する検察官として、不正な活動だ」とまで強く検察側を批判していた。

 

名古屋高検は今回の検証について、「再審手続きのあり方への関心が高まっており、事件での検察官の対応に様々な指摘があることに鑑み、最高検からの指示で調査を実施する」と理由を説明しているが、再審無罪は昨年8月に確定しており、遅きに失する。なぜ今さら検証に乗り出すのか。やはり、再審制度を見直す刑訴法改正議論への影響を考慮しているのは間違いないといえ、姑息な対応と言うほかない。

 

無罪が確定した前川さんは4月28日、身体拘束に対する補償金約4000万円を福井地裁に請求した。無罪でありながら、殺人犯のレッテルをはられ、服役までした前川さんに金銭補償がなされるのは当然だろう。

有罪を揺るがす証拠を開示しなかった検察の対応は、「証拠隠し」ともいえ、極めて悪質だ。法務検察には、検証に乗り出すからには、徹底した厳格な対応が求められる。

(桜田亮)

 

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