社会•事件 カスハラ対策 現場の6割は「会社の準備状況がわからない」
カスハラ対策 現場の6割は「会社の準備状況がわからない」
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2026/08/06

 労働施策総合推進法 の改正によって2026年10月1日にカスハラ対策が義務化される。法的な期限まであと2カ月という刹那、トラブル解決支援サービスを提供するヴァンガードスミス(東京都港区)が明らかにした実態を通じて、「言葉の浸透」と「実態の空洞」という病理が浮かび上がった。

ビジネスの現場において、カスタマーハラスメントという概念はすでに8割の意識に浸透した。しかし、その内実は、ただ冷え切った沈黙に覆われている。被害を受けた者の4割強が、会社に対して口を閉ざすことを選んでいるという現実がある。「誰に話したところで、状況が好転するはずもない」という諦念は、個人の脆弱性ではなく、組織が抱える構造的な不信の表れに他ならない。

企業の姿勢もまた、虚ろである。現場で働く者の6割近くが、会社が何を準備しているのかさえ知らされていない。対外的な対策ポーズとしての条例対応は整いつつあっても、それが個々の人権を守る盾として機能している企業は、わずか1割余りに過ぎない。

現状では、組織の厚い膜の中で誰の助けも届かないまま、従業員が追い詰めてられてゆく。実効性を伴う解決策が機能しないと、組織が蝕まれて従業員の流出を避けられなくなるが、その段に至って目が覚めるようでは手遅れだ。(小野貴史)

 

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