社会•事件 米国人の脳コンピューターインターフェース研究の第一人者が中国に事実上の亡命
米国人の脳コンピューターインターフェース研究の第一人者が中国に事実上の亡命
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2026/05/12

 2026年4月21日、中国・北京で人型ロボットのハーフマラソン大会が行われた。中国では今年、人型ロボットの「商業化元年」と位置づけて世界に技術力をアピールしているが、究極の目的は介護ロボットや運搬ロボットを超えてのロボット兵士の量産である。

 そこへビッグニュースが飛び込んできた。先頃、元ハーバード大学のチャールズ・リーバー化学部教授が中国に事実上“亡命”したのである。

リーバー氏は、世界的な脳コンピューターインターフェース研究者で、同大学在職中にペンタゴンから800万ドルの研究助成費を受領しながら、同時に中国から75万ドルを得ていたことが発覚した。

中国からの巨額受領の申告漏れは悪質だと21年に起訴され、23年に判決を受けたが、わずか2日間の禁固刑、6カ月間の自宅軟禁、5万ドルの罰金と歳入庁への3万3600ドルの賠償金の支払いだけで幕引きされた。

バイデン政権(当時)がリーバー氏の中国旅行を許可したことで、24年に3回にわたり、中国を訪問したが、その最中、中国が国家的な最優先事項とした「人間の脳に電子機器を埋め込む技術」の研究を発展させるために深圳に計画したiBRAIN(脳研究・先端インターフェース・神経技術研究所)を設立した。

現在、リーバー氏はiBRAINを統括しており、ハーバード大学では利用できなかったナノ加工装置や米国では著しく制限のかかる霊長類研究インフラを利用できる。この研究所は、深圳医学研究翻訳学院(SMART)の傘下にある。

そしてもう一人。ハーバード大学でリーバー教授と共同でナノファブリケーションに関する論文を共著したジョン・ミン・リーもiBRAINに合流した。

SMARTは23年に設立された。Yan Ning(中国語名:顔寧)は、SMART院長および深圳湾研究所主任を兼任しているが、彼女もまたプリンストン大学で5年間勤務した後、25年に中国に帰国、その際、国内メディアでは「女神科学者」の帰還として称賛されている。

リーバー氏の技術は、ALS(筋萎縮性側索硬化症)などの治療や麻痺患者の運動機能回復に有望とされるが、軍事的な応用こそが中国政府の狙いであろう。(梛野順三)

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