2026/06/25
・同映画は高度医療的ケアが必要な10歳の少年、壮眞(そうま)とその母親や仲間たちが無人島への旅を挑む姿を追ったドキュメンタリー。旅をライフワークとする野口監督が作家・高橋歩氏の呼びかけにより参加し、最終的に映画化を決めた。
――正直最初は障がいとかは一切抜きにして、僕は「無人島」というワードにワクワクしてしまい「無人島、行ったことないし行きたい」と。そういうところからのスタートでした。
最初は映画というよりは「旅の記録」という感じでしたね。彼らにとっても初めての無人島で、ものすごくリスクが高い中で行く。その時間を大事にしなきゃいけない。カメラが入って介入することによって、その時間って絶対に変わってしまうので。
・旅に参加し、カメラを向けていく中で野口監督の中で気持ちの変化が起きていたことに気づいた。
――気づいてしまったんですよね。自分は障がいを抱えた人が身内にいないので、接する機会があまりなかった。その延長線で、普段から接点がなかったことで、やはり戸惑いがある。カメラを向ける以前の問題で、やっぱりどう接していいのかわからない。何か手伝うにしても何を手伝っていいのかもさっぱりわからない。
自分の中で「相手は障がいを抱えているから、こういうことができないんじゃないか」って勝手に思い込んでいたことを、気づかされる連続でした。
・そんな中で「記録」だった映像を「映画」にしようという思いが芽生えたきっかけの「笑顔」に出会った。
――やっぱり壮眞の笑顔なんですよね。この彼の笑顔を撮ってた時に、なぜだかわからないですけど、自然と涙が溢れてたんですよ。撮ってるときは、ゾーンのようなものに入ってしまっていて、そんな現象が自分に起きていること自体が理解できなかった。ただ、とてつもなくその笑顔が僕の何かを刺激したというのは明確にあって。とにかく壮眞の笑顔が凄まじかった。圧倒的な光が、そこにはあったんです。
「この笑顔を1人でも多くの人に。自分以外の人にも見てもらいたい。この世に残したい」という気持ちが、僕の中で衝動として生まれてきたんです。それが、映画をつくりたいと思ったきっかけでした。そして、なぜ自分が、壮眞の笑顔に涙してしまったのか。その言語化できなかった不思議な現象について、映画をつくりながら考えてみたかった。僕にとって映画は、言語化できない想いを映像で表現するため、昇華するためにつくっているところがあります。
またもう1つの大きい理由が、僕が無人島ツアーで感じたことを追体験してもらいたいということです。僕がそうだったように、まるで一緒に無人島へ冒険に行っているような気持ちを味わってもらいたかったんです。(中編へつづく)
(タサイリョウ)
・7月24日(金)よりキノシネマ新宿ほか全国順次公開
※メインビジュアルほか
(C)スタジオなあに
TIMES
エンタメ「TIGER」 社会•事件








