政治•経済 社会•事件 AIに社員を代替。メタが行った組織革新の実験の失敗
AIに社員を代替。メタが行った組織革新の実験の失敗
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2026/09/02

 「初任給は100万円」。そんなタイトルで報じられたのが、不動産開発の「霞ヶ関キャピタル」が来年の新卒社員で起業やAIで優れた人材の初任給を100万円とする記事。そんな話を聞くと、羨ましい一方、社内で世代間ギャップが生まれないかと心配にもなる。

 AIで会社組織を革新しようという動きは多々あるが、メタが行った〝実験〟の結果を見れば、AIの進歩は相当なところまで来ている一方、まだまだ人間に置き換わるには時期尚早なようだ。

「メタは今年に入り『プロジェクトOT(組織革新)』を推進。OTではAIに日常業務の多くをやらせ、少数の人材がこれを管理するというもの。そして最大で60%までチームの規模を縮小する計画で5月と11月に雇用調整を行いう予定で、実際に5月には社員を10%減らしたものの、11月の原因は見送ることになりました。というのも思わぬハレーションが生じたからで、まず社員の士気が低下し、やる気指数が74%から55%に減少、組合結成の動きにつながりました。また技術・セキュリティーの事故が昨年より40%増え、その収拾に社員が費やした時間が70%増えたそうです」(経済部記者)

 5月の雇用調整で10%削減した社員は8000人。削減を発表したのが四半期決算発表の翌日で、この決算では268億ドル(約4兆円)の純利益という、過去最高の儲けが報告されたばかりだった。メタはMTIAという自前のチップを開発する計画で、これに1300億ドルの投資を行うとしている。

 だがその金がどこから出てくるのかと言えば、ザッカーバーグは「人を減らすしかない」と公言しているので、社員としてはたまったものではない。それは当然、人心が離れるというものだ。

 先の霞ヶ関キャピタルの動きを報じた産経新聞では、25年6月に新卒社員に支払われた給料の全国平均は26万2300円で、20年から16%上昇しているという厚労省の統計数字も紹介している。そして来春の新卒社員が、既存の若手社員の年収を上回るケースも出てくるだろう、と。

 賃上げ・優秀な若手の採用での好待遇はけっこうだが、メタの実験のように組織が乱れるといったことが、今後あちこちで生じるかもしれない。

 

(猫間滋)

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