2026/07/27
三菱総合研究所が、売上高100億円以上の国内民間企業に勤務する1000名を対象に実施した「DX推進状況調査」で、ビジネス変革の段階にあると答えた割合は40.2%、デジタライゼーションは36.9%——2021年の調査開始以来、初めて前者が後者を超えた。
その底流について三菱総研は「生成AIやAIエージェントの活用が、個人の作業支援にとどまらず、業務や組織の再設計に及び始めている可能性が示唆される」と推察した上で、「AIファースト」を提言する。
この概念は、三菱総研が「AIと人が協働することを前提に顧客への提供価値を最大化すること」と定義する。調査によると、75.9%がAIファーストの検討を開始し、43.1%は26年末、75.4%は28年末までに財務成果の実現を見据えている。しかし全社標準としてAI活用が広がり、主要業務・主要サービスに深く組み込まれたAIファースト実現層は、いまだ10.1%にとどまる。近未来像と現実の間には、なお深い谷間がある。
三菱総研BA・AI事業部門の本田えり子事業ディレクターはこう指摘する。
「一部の業務にAIを付加するのではなく、事業活動の全要素をAI前提で再設計する必要がある。中核人材は専門性とAI活用力に加えて、企画・製作・マーケティング・営業などの越境力を備えたマルチロール社員になることが必要だ」
彼方に見えているのは、AIに仕事を奪われる恐怖ではなく、むしろ自分の専門性を問い直し、境界を越えて働き直す覚悟が試される風景である。(小野貴史)
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