社会•事件 阿部巨人軍監督の辞任は、なんぼなんでも行き過ぎだ
阿部巨人軍監督の辞任は、なんぼなんでも行き過ぎだ
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2026/06/02

 自走しない児相(児童相談所)の動きが素早かった。プロ野球・読売巨人軍が確認した事実関係によると、5月25日午後6時頃、18歳の長女と次女の姉妹ゲンカを止めようとした阿部慎之助前監督(47)が、長女から言い返されたことに腹を立て、襟元をつかみ投げ飛ばして倒すなどの暴行を加えた。

長女はこの直後にチャットGPTに相談したところ、児相への通報を勧められたことから通報。児相から連絡を受けた警視庁渋谷署が、現行犯逮捕した。阿部氏は26日未明に釈放され、同日に辞任を申し入れた。

 これが“事件”の流れだが、問題点を整理しよう。これまで虐待を躾と強弁する親を追及できず、幾多の幼児を見殺しにしてきた児相が、勤務時間外の夜間だったこともあってか、渋谷署に通報したことに違和感を持った人も多かったのではないか。

長女の代理人も娘さんの声明文をこう読み上げている。≪児相に電話したところ「どうしたらいいか」といった私自身の意向は聞かれることはなく、警察に通報されるといった結果になってしまいました。警察が来て一番驚いているのは自分自身ですし、父が警察に連行された姿を見て、がくぜんとして、私は泣き崩れてしまいました≫と述べていることは要注目だ。

 次にこの“事件”が、例えば、名古屋や仙台の某監督であったなら果たして現行犯逮捕されていたかという疑問である。これは警察署間で、ストーカー事件などの扱いを巡って巷間言われる「警察ガチャ」、つまり担当署によって適切な事件捜査であったり、稚拙な捜査になったりする巡り合わせが…という事案に該当するのではないかということである。

阿部氏には令状を不要とする現行犯逮捕が適用されている。捜査経験者は「体や衣服などに暴行を思わせる痕跡があったからではないか」と指摘するが、娘さんは「ケガはしていない」と声明文で述べている。

これまで、幾多の虐待死を看過してきた当局からすれば、「米国の様に消極的に対応するよりは、少々過剰な扱いの方がいい」との現場判断があったのではないか。

また「現行犯逮捕」という報道は、日本では「即犯罪者」と受け取られやすい。起訴されるかしないかまで謹慎処分でよかったのではないか。

阿部氏の復帰を求めるオンライン署名が10万筆を突破したという。このままでは2人の娘さんが大きな心の傷を負わないか心配だ。ちなみに筆者は何十年間にも及ぶアンチ巨人である。(梛野順三)

 

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