連載•小説 連載『俺の名前は三遊亭はらしょう』vol.123『幽霊を見た人を見た~その3』
連載『俺の名前は三遊亭はらしょう』vol.123『幽霊を見た人を見た~その3』
連載•小説

2026/07/01

 女性の芝居がかったビビり方はB級ホラーを観ているような気分だった。そんな中、舞台を撮影していたカメラマンの中年の男が突然

「ぎゃあ~」

と大声をあげた。もう何がなんだか分からないが、とりあえずその声が一番怖い!

「鐘が来てます、そこまで来てます」

と、そこから目つきが険しくなって意味不明なことを口にした。みんながカメラマンの方を見ると、ライブ主催者の男が

「彼は霊感が凄いんです!早く神社を出ましょう!」

と全員を促しはじめた。俺は先ほどまで半分笑っていたのだが、恐怖の空気が一気にA級ホラーに昇格してきた為、急に怖くなって足を速めた。見るとカメラマンの目つきは更に険しくなってきている。そして女性に向かって

「あなたの頭上に黒い影が渦を巻いています!」

と叫んだ。

「ぎょえー!」

相変わらずの女性のB級じみたビビり方に俺はまた笑いそうになったが、次の瞬間、カメラマンは俺に向かって、

「あなたの上にもー!」

と叫んだ。

 

(つづく)

 

TIMES

連載•小説