連載『俺の名前は三遊亭はらしょう』vol.128『この世には自分に似た他人が三人いる~その3』
連載•小説
2026/07/19
そして毎朝、俺はテキ屋さんから挨拶され続けた。最初はこちらも返事をした方がよいかと思ったが、自転車で走っている為、会釈くらいしか出来ない。というか、会釈くらいのほうが「・・・さん」っぽいかなと勝手に思っていただけなのだが。
そんなある日、俺は知人にこの話をした。するとズバリ、こう言われた。
「君、テキ屋に間違えられるわ。だって、その髪型、丸坊主やん?」
「はい。でも、そんなの他の職業でもいるでしょ?」
「まだある。服はジャージ上下やろ」
「動きやすいですからね」
「足元はサンダル」
「歩くなら運動靴だけど、自転車ですから」
「そして最後に、君の眼鏡の色」
「太陽がまぶしいので、ちょっと色入ってるんです」
「丸坊主。ジャージ。サンダル。ちょっと色入ってる眼鏡。それ、テキ屋4点セットやないか!」
「はっ!ほんまや!」
「明日、違う服装で通ってみたら?帽子、Tシャツ、靴、色無し眼鏡」
知人は最後にそうアドバイスしてきた。
(つづく)
TIMES
連載•小説






