2026/04/21
やはり最初から結論ありきか―――第三者委員会報告書②
「指示と了承はしていない」という小池と、あったと「推認」した第三者委員会。もともとあったこの厳しい意見の対立は、第三者委員会の調査でも決定的な解消が見出されることなく、それでも報告書が会社に提出された。そこに様々問題点はあるが、そもそもこの第三者委員会の在り方にも疑問があった……。
ここでもう1度思い出して欲しい。小池は独立社外取締役の池内稚利を相手にした争点①で、今後の社内調査の結果いかんで進退を判断するという方針は、役員、顧問弁護士から賛同が得られていたとするがが、その方針は常に否定され続けてきた。そして事実池内からは、小池が(代表)取締役を辞任しない限りは、自ら社外取締役を辞してまで警視庁の家宅捜査があったことを公表するとして、正式な調査前に(代表)取締役の辞任を迫られた。
次にその池内を委員長とする社内調査委員会も、小池に対するヒアリングが1度も行われないまま小池をクロとする調査結果が報告し、それが適時開示でも一般の目に晒された。しかもこの時は連載③でも触れたように、小池をクロとしたいとの意図が垣間見れるような適時開示を行って、自らの勇み足について後に訂正まで行っている
そしてキチンとシロクロつけるはずの第三者委員会でも、小池の陳述が採用されることはなかった。ところが怪しい元社員Sの陳述は採用され、「指示と了承」を示す具体的な証拠がないまま、「推認」で「小池=クロ」の結論が下された。
極めて皮肉ながら、小池の主張を裏付けるような具体的な動きとしては、警視庁の捜査が見込み捜査で終わり、検察の取り調べもないまま不起訴に終わったということだろう。より高次の厳密性が要求される捜査当局が推定無罪の原則を採用したのに対し、むしろ本来は身内であるはずの役員らはむしろ有罪を雄弁に主張し、さらには透明性・独立性・客観性が求められるための第三者委員会にも、そういった原則的なものが期待できなかったからだ。
連載③では、小池をクロとしたい会社側の意図が見えるかのようだと言ったが、それはこの第三者委員会の構成にも現れている。正確に言えば、「第三者」ではないからだ。池内を委員長、五藤を副委員長とした社内調査委員会は5名、安田を委員長とした第三者委員会は6名の弁護士から成ったが、うち2名は社内調査委員会からの横滑りで重複しているからだ。
社内調査委員会は、22年6月20日に東京都公安委員会が勧告を行った際に、小池が、
①小池の了承の下、S組長の意向によって、業者選定を行った
②工事代金の一部がS組長に渡った
③問題となった解体工事以外にその後も、解体工事でS組長を関与させようと、話し合いを行っていた
との報告を行っていた。一方、第三者委員会の本来の目的は、その検証を「第三者」で改めて行おうというもの。だがメンバーが一部重複するのだからこれは厳密な意味での第三者ではない。まずメンバー選定で「透明性」と「独立性」に疑問符が付くし、社内調査委員会の予断が持ち込まれれば、「結論ありき」という第三者委員会設置の意義すら怪しまれてもおかしくないだろう。
さらには時間の幅を持った争点①、②、③の間に起こった三栄建築設計内部の動きを見ると、やはり「結論ありき」の方向に持って行きたかった意図が覗える。なぜならそこに、クーデターとでも呼ぶほかはない動きがあり、「結論ありき」の意図が堅持されることは、このクーデターを遂行、成功に導くためにはどうしても必要なものだったことが分かるからだ。・・・・・・⑫に続く。
(本誌・第三者委員会問題追及班)
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