2026/04/20
却って真相は藪の中か――第三者委員会報告書①
元社員Sが提出した証拠類と供述に多く基づいて行われた事実認定。だが元社員Sの供述は、小池信三に対する個人的怨念が少なからずあり、また事件の元になる恐喝を行った当の本人で、しかも決定的な物証だけがなぜか存在していない。そこには相当な疑念が含まれるものなのだが……。
だがそれでも結局、第三者委員会は、社内調査委員会が示していたのとほぼ全く同じ事実認定を行った。重要なので繰り返しておけば、以下の3点にまとめられる。
①業者選定で小池の指示があった
②小池の指示で、S組長に小切手が交付された
③小池はS組長に小切手が渡ることを認識しつつ、これに協力した
事実認定についての是非は、本件訴訟の一番のキモで、それを現在争っている最中なので、本連載ではあまり踏み込まないことにする。
だが第三者委員会委員長で被告になっている安田博延の答弁書などによれば、①~③の事実認定を行った根拠の1つとして、東京都公安委員会による勧告が行われたという事実を上げているが、それでは第三者委員会を立ち上げた意味がなくなる。他者の判断にそのまま乗っかっているだけの話だからだ。それでは第三者委員会を組織した意味がなくなる。
また第三者委員会の報告書では、小池とS組長との「密接な関係性」(答弁書より)が「認定を支える位置づけ」(同)となっているとするが、仮に密接な関係性があったとしても、そのことが即、解体工事の「指示と了承」があったということにはならないだろう。それならS組長と元社員Sとの間で金銭的なやり取りがことを比較してみれば、両者の結託を疑う方がより合理的ではないか。
それにその「密接な関係性」の発端は2000年ごろのことなので、もう20年以上に及ぶ。ところが問題の2件の解体工事以外に、S組長が三栄建築設計の仕事に絡んだというものは出てきていない。だから第三者委員会報告書が上記3点の事実認定を行うには、逆に今回の2件の解体工事は逆に唐突感があって、理屈としてはだいぶ苦しいものとさえ言える。
そこで訴状での訴えに話を戻せば、結果として第三者委員会の報告書は、社内調査委員会の結論と東京都公安委員会の勧告を後追いしたもので、結局は元社員Sの供述に多くを負いつつも、反論する小池の主張(S組長の供述も併せ)は退けられて、却って真相は藪の中という形になっている。
だからこそ報告書の受領と公開があった8月15日付け適時開示について、第三者委員会委員長の安田博延、元社員S、取締役の千葉理恵、吉川和男、独立社外取締役の池内稚利、独立常勤監査役の五藤誠一の損害賠償責任が本件訴訟では問われているのだ。それが4争点のうちの③だ。・・・・・・⑪に続く。
(本誌・第三者委員会問題追及班)
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