2026/04/18
極めて怪しい元社員Sの立ち位置①
会社設立からまだ10年も立っていない頃に顧客として生まれた、三栄建築設計とS組長との接点。会社はS組長の自宅の施工を行い、10年間はメンテナンスの必要上から、歴代の担当社員を置いた。そしてそれが元社員Sに引き継がれ、やがて事件へとつながっていく……。
ここで話を再び本件訴訟に戻そう。4つの争点の③では、第三者委員会の報告書が会社に受領され、そのことがアナウンスされると同時に報告書の公開も行った23年8月15日付けの適時開示の適当性が問われている。そして損害賠償の対象者は、第三者委員会委員長の安田博延、元社員S、取締役の千葉理恵、吉川和男、独立社外取締役の池内稚利、独立社外常勤監査役の五藤誠一と、本件訴訟ではオールスターの被告の顔ぶれとなっている。
争点③の中でも、第三者委員会の報告書の内容が主要な論点になるので、ここではとりわけ安田、元社員Sが主な対象者と言って良い。事件を巡る関係性では、まずS組長と現場で解体工事を取り仕切る元社員Sとの間でどういったやりとりがあったかが最も重要事であり、小池がどれだけ把握していたかが、そもそもの第三者委員会の主な調査課題でもあるのだからだ。
そこで最も重要になってくるのが、元社員Sの供述や、それを「指示と了承」があったかどうかを裏付ける、元社員Sと小池とのLINEや通話記録などの過去のやり取りを示す証拠類なのだが、まず最初に言っておけば、「指示と了承」を決定づける証拠類は出されていない。このことが全ての物事を紛糾させる。
そこで第三者委員会は、現にある証拠類や聞き取り調査から報告書を作成、そこでは最終的に「指示と了承」が「推認」推論されたのだが、ここでまた大きな1つの問題がある。小池が主張するところによれば、元社員Sは小池に恨みがあったから、元社員Sの供述をそのまま採用するには当たらないとしているからだ。・・・・・・⑨に続く。
本誌・第三者委員会問題追及班)
形骸化「第三者委員会」の存在意義を問われる注目の裁判 全シリーズ
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