2026/04/16
指摘される第三者委員会の問題がそのまま反映された社内調査委員会――争点②の2
三栄建築設計に都の暴排条例に基づく勧告が行われた23年6月20日、会社の適時開示に勧告があった事実と、社内調査委員会の調査結果の報告も併せて行われた。だが本件訴訟では、原告である同社創業者の小池信三によれば、委員会は当の本人である小池へのヒアリングさえ行っていなかったという……。
この連載は乱立する第三者委員会の意義を問うものだ。会社で不祥事があった時、まるでお決まりかのごとく第三者委員会が設置される。だが第三者委員会には透明性・独立性・結論ありきの在り方等が、その度ごとに指摘されている。そのことを改めて指摘することが、本連載の目的だ。そして三栄建築設計において設置された社内調査委員会には、その問題性が端的に現れている。
同日の適時開示では、さらに第三者委員会を設置して、更なる原因究明と対策が企図されているわけだから、社内調査委員会はその前段階であって、あくまで〝社内調査〟の結論でしかない。だが訴状でもその問題点が指摘されているのだが、社内調査委員会委員長の独立社外取締役の池内稚利には本業である弁護士として、副委員長の五藤誠一には独立社外監査役としての、
〈独立性・客観性・中立的立場から、慎重に調査及び評価を行うことが求められていた〉(訴状より)
だが本人に対するヒアリングすら一度も実施していなかったというのであれば、なんのための調査委員会かということになる。果たして委員会はキチンと機能していたのだろうか。そしてその調査結果なるものが、会社の適時開示にあたかも客観的事実かのように記載されることに問題はないのか。と、訴状は問うているのだ。
もちろん会社の適時開示なので、これは6月20日の取締役会議の了承の下、開示されたものだ。一方小池は、
・問題となった解体工事の業者の選定に関与していないこと
・支払いで振り出した小切手がS組長に流れる可能性を認識していなかった
との説明は経営陣に対し従来から行っていたものだ。
ということは小池の説明と社内調査委員会の報告は真っ向から対立するもので、やはり第三者委員会のような形で独立・客観・中立の立場からキチンと調査されるべき必要があった。
にもかかわらずこの段階で、社内調査委員会の報告が公表されたことが正しかったかは問われるべきであるし、会社の意思として公開されたものなのだから、その場合、取締役だった千葉理恵、吉川和男の責任も問われねばならない。
だから本件訴訟の争点➁では、この4名に対する賠償責任が問われる形となっているのだ。・・・・・⑦に続く
(本誌・第三者委員会問題追及班)
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