2026/05/26
アメリカの新興企業アンソロピックが開発した最新の生成AI「クロード・ミュトス」が、サイバー攻撃に悪用される恐れが指摘されている問題などを巡り、政府が日銀や日本取引所グループ、3メガバンクの頭取などと会議を開き、対策を進めることで一致した。
ミュトスはシステムの脆弱性を見つける能力が高く、サイバー攻撃などの不正利用への懸念から一般公開が見送られている。
アンソロ社のダリオ・アモディCEOやパランティア・テクノロジーズのピーター・ティールCEOらが、高市早苗首相を表敬訪問しており、首相もミュトスについての知見を得ていると推察される。また4月24日には、片山さつき財務大臣が、金融業界のトップらを集めた官民連携会議を開いている。
同社は以下の様に警告を発している。
≪ミュトスのサイバーセキュリティの脆弱性発見能力は、人間の専門家をはるかに凌駕しており、同様の技術が悪用された場合、世界を変えるような結果をもたらす可能性がある。経済、公共の安全、国家安全保障への影響は深刻なものになる可能性がある≫とし、≪デジタルの脅威から身を守るために、生活の中のあらゆるテクノロジー機器をミュトスと交換せざるを得なくなるだろう≫
アンソロ社は社告で「自社ソフト『ミュトス』の広告を打ちません」と宣言しているが、前述した報道が続いている現状、広告の必要などないだろう。また。このような警告に至っては、テレビCMよりはるかに効果的だ。
オープンAICEOのサム・アルトマンは、最近のポッドキャストインタビューで、アンソロ社のこうした「恐怖を煽るマーケティング」を批判した。しかし、彼自身も「私は怪物を作り出してしまった」という戦略を続けており、「あんたが言うかよ」である。
地球温暖化によって北極の氷が溶けて世界は水浸しになり、白クマが自分大の氷に乗ってさ迷う映像が拡散したことがある。後にこの映像はフェイクであり、実際の白クマさんは大いに繁殖していた。こうした恐怖を分かりやすく煽ることを「白クマ絶滅説」と名付けよう。
折りも折り、オープンAIの共同創業者であり、世界的AI研究者であるアンドレイ・カルパシー氏が、ライバルであるアンソロ社入りを発表した。
同氏は、AIでコードを書く「バイブ・コーディング」を提唱して大流行させ、世界中のAI研究者やユーザーが彼の発信を追う「最強インフルエンサー」でもある。AI業界の大物の電撃加入でアンソロ社の勢いはさらに加速するか、“白クマ絶滅説”で終焉を迎えるか、見物である。(梛野順三)
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