政治•経済 韓国は台湾有事をどう捉えているのか
韓国は台湾有事をどう捉えているのか
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2026/02/28

 台湾有事が発生した際、隣国である韓国がどのような備えをしているのかという問いは、東アジアの安全保障を考える上で極めて重要な視点である。結論から言えば、韓国の対応は米韓同盟の維持と朝鮮半島の安定という二つの至上命題の間で、極めて慎重かつ複雑な舵取りを迫られている状況にある。

まず軍事的な備えについてだが、韓国軍が直接台湾海峡に展開して中国軍と交戦する可能性は、現時点では極めて低いとみられている。韓国にとっての最大の脅威はあくまで北朝鮮であり、台湾有事に乗じた北朝鮮の軍事挑発を抑止することが防衛の第一優先事項であるからだ。しかし、在韓米軍の運用に関しては話が別である。米国は戦略的柔軟性に基づき、有事の際に在韓米軍の一部を台湾方面へ転用する可能性を示唆しており、韓国政府はこれにどう協力するかが大きな懸念事項となっている。仮に米軍機が韓国の基地から出撃すれば、韓国自体が中国の報復対象となるリスクを孕むため、米韓間では有事の際の拠点利用や後方支援の範囲について、水面下での調整が続けられている。

外交的な側面では、尹前政権以降、韓国は台湾海峡の平和と安定を国際社会の共通課題として明言するようになった。これは従来の戦略的曖昧さから一歩踏み出し、日米韓の枠組みで現状変更を試みる動きを牽制する姿勢を示したものである。しかし、経済的に密接な中国を過度に刺激したくないという本音も根強く、軍事介入という言葉を避けた慎重な言辞を保っているのが実情だ。

さらに、実務面での備えとして注目すべきは、自国民の保護とサプライチェーンの確保である。台湾には多くの韓国人が居住しており、有事の際の非戦闘員退避活動(NEO)は現実的な課題として軍や外務当局の検討対象となっている。また、半導体をはじめとするハイテク産業において、台湾のTSMCと韓国のサムスン電子などは競合でありつつも補完関係にある。台湾の生産能力が停止した場合、世界経済に及ぼす影響は甚大であり、韓国は経済安全保障の観点から供給網の多角化やリスク分散を急いでいる。

総じて、韓国の備えとは台湾を守るための直接的な準備というよりは、有事の火の粉が朝鮮半島に燃え移るのを防ぎ、同時に米韓同盟の義務を果たしつつ、中国との破局を避けるというジレンマの解決策を模索するプロセスそのものであると言える。

(ジョワキン)

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