2026/04/20
諸外国からの首脳の訪日が相次いでいる。
1月13日に韓国の李在明(イ・ジェミョン)韓国大統領、1月15日にイタリアのジョルジャ・メローニ首相、2月1日にイギリスのキーア・スターマー首相、2月2日にネパールのラムチャンドラ・ポーデル大統領が来日して首脳会談を行った。2月28日にアメリカ・イスラエルがイランを空爆して中東戦争が勃発。高市早苗首相は2026年3月18日〜20日に訪米し、ホワイトハウスでトランプ大統領と初の首脳会談を行っている。
3月12日にブータンのツェリン・トブゲー首相夫妻が来日。31日にプラボウォ・スビアント・インドネシア大統領が来日、同日フランスのエマニュエル・マクロン大統領も訪日した。
4月13日にポーランドのドナルド・トゥスク首相が訪日し、さらにNATO加盟各国の大使が15日から来日している。
あたかも首相の施政演説“世界の真ん中で咲き誇る日本外交”が実現したかのような盛況だが、各国首脳が日本に求めているのは、ドナルド・トランプというドラ猫ならないアメリカ大統領の首に鈴をつけて欲しいのである。
高市首相にトランプに意見して欲しいというのが本音なのだ。
高市首相のトランプへの抱き着き戦術が功を奏し、一見、良好に見える日米関係に期待しているのだが、果たして高市が意見したからと言って、トランプが素直に聞くか、という問題がある。トランプが信頼したシンゾー・アベなら、あるいはトランプも耳を傾けてくれたかも知れない。
しかし、高市首相にとってこれは避けられない課題だ。
ホルムズ海峡封鎖の長期化が、日本ばかりか、世界経済に深刻な影響を与えているからである。補助金でガソリン価格を抑える小手先の対処療法もいずれ限界がくる。その前にスポット価格の高値の石油を買えないアジア・アフリカ諸国の経済は、停戦交渉がまとまる前に破綻してしまうだろう。
その意味で、NATO加盟諸国の大使が大挙して訪日したのは、日本を避雷針にしてアメリカの暴走に歯止めをかけるのが狙いである。
ここで高市首相が腰砕けになれば、寓話『ねずみの相談』になってしまう。

ネズミの相談(ギュスターヴ・ドレ画)
高市首相にとっては正念場と言えよう。
筆者は、昨年12月24日に『田中義一と高市早苗 戦略無き積極外交の不安』を投稿。 https://timessha.jp/politics-economy/tanakagiichi251225/
高市首相の“世界の真ん中で咲き誇る日本外交”は、戦前に積極外交を掲げた田中義一内閣が、関東軍の一大佐が起こした「張作霖爆殺事件(満州某重大事件)」のような予期せぬ突発的な事故で行き詰まるのではないか、という予感があったからだった。とは言え、トランプのアメリカが関東軍のようになるとは、さすがに予測できなかった。
トランプは、イスラエルの要求を受け入れて、同盟諸国の迷惑を顧みず、出口の見えない中東戦争を引き起こし、イランがホルムズ海峡を封鎖するなら、俺も海峡を封鎖してやる、という挙に出た。
世界中がトランプ・ジャイアンの独唱会(リサイタル)に迷惑している。
(青山みつお)

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