医療•健康 社会•事件 「2040年問題」まで残された時間が少ない中、看護学校定員割れの衝撃
「2040年問題」まで残された時間が少ない中、看護学校定員割れの衝撃
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2026/05/02

 NHKの朝の連ドラ「風、薫る」は、医療の世界に新風を巻き起こした2人の「トレインドナース(正規の教育を受けた看護師)」の波乱万丈な人生を描く物語だ。ナースは硬軟様々な映画・テレビドラマを生んだ女性憧れの職業である。

昨今、医師不足がクローズアップされがちだが、実際の医療現場では看護師不足も同様に深刻で、むしろ、医師1人に対して複数の看護師数が定められている現代の医療制度においては、看護師不足が医療に与える影響はより大きい。

高齢者人口がピークを迎える2040年問題まで残された時間は少ない。看護師不足は早急に解決されなければならない問題である。

25年の看護師の就業者数は約180万人。医師が約34万人で、他のコメディカル(医師・歯科医師以外の看護・リハビリ職、薬剤師、検査・放射線技師、栄養士、ソーシャルワーカーなど)より総数は多いが、看護師の有効求人倍率は2.5倍(24年度)で、1人の看護師を2カ所以上の医療・福祉機関が奪い合っているのが現状だ。

25年5月、読売新聞は≪看護師や准看護師を養成する医師会立の看護学校への入学者は今年度、長野県内全6校で定員割れし、入学者数を定員で割った「定員充足率」は5割未満だったことがわかった≫と報じた。

学生不足は長野県だけの問題ではなく、埼玉県や熊本県など全国で起きている。なぜ学生が集まらないのか。「看護師」と「准看護師」の違いや歴史性については朝ドラでも触れられるだろうが、なり手がないのは中卒で得られる准看護師資格だ。

そもそも、高校進学率が99%の現在、経済的、あるいはそのほかの事情で中学を卒業後に働きながら准看護師を目指す人たちは少ないという絶対数の問題が第一にある。

次に准看護学校に入学する約65%が社会人という点にも注目しなければならない。つまりセカンドキャリアとしての資格を得るというのが志望動機だが、問題はその先で、准看護学校を卒業した人が、そのまま就業するのは46%にすぎず、45%は看護師資格取得のために進学してしまう。

そして最大の問題は、看護師を目指す学生自体が減少傾向にあることだ。看護学校の看護師国家試験の受験者は減少中で、大学看護学部も微減している。東大医学部卒のアナがいるが、医学部卒に偽りはないものの看護学科卒。要は東大医学部卒の肩書が欲しかったということらしい。

事ほど左様に高校生の進路選択として看護師は依然として人気があるものの少子化などを背景にした学生数の減少は避けて通ることはできない。これも大きな医療の危機である。(梛野順三)

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