医療•健康 社会•事件 胃を残せる内視鏡治療の有効性 10年間の経過観察で確認
胃を残せる内視鏡治療の有効性 10年間の経過観察で確認
医療•健康 社会•事件

2026/09/03

 国立がん研究センター(NCC)中央病院が中央支援機構を担う日本臨床腫瘍研究グループは、従来は外科手術で胃の切除が行われていた未分化型早期胃がんについて、胃を残せる内視鏡治療(内視鏡的粘膜下層剥離術/ESD)の有効性を10年間の長期経過観察によって裏付けた。

未分化型早期胃がんでは、治療後5年以降の転移や再発の可能性が懸念されていたが、ESDでがんを完全に取り切り、追加の手術が不要と判断された患者の5年以降の転移や再発は、きわめて稀であることが確認された。

また、定期的な内視鏡検査によって、新たに胃がんが発生した場合にも、多くは再度のESDによって、胃の温存が可能であることが証明された。NCCはこう展望するする。

「胃の切除後には、胃切除後症候群と呼ばれる様々な後遺症が生じるため、胃を残せるESDの長期的な有効性が示されたことは、多くの患者の生活の質に貢献する研究成果である。世界的にも標準治療として普及が進むことが期待される

 ただ、この内視鏡治療の良好な成績には前提条件がある。

「腫瘍が粘膜内にとどまり、潰瘍がなく2cm以下」という厳密な条件を満たしたがんを正確に診断・切除し、さらに治療後も定期的な内視鏡検査による適切な経過観察を継続することによって初めて成り立つ」――NCCはそう付言する。(小野貴史)

TIMES

医療•健康 社会•事件