医療•健康 政治•経済 長期化売る緊迫の中東情勢 医療現場への影響が懸念
長期化売る緊迫の中東情勢 医療現場への影響が懸念
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2026/05/22

 長期化する中東情勢の緊迫は、医療用物資の仕入れにも影響を及ぼしている。原油の9割以上を中東に依存する日本国内では、石油を原材料とする一部の医療資材が入手しづらくなっており、調達不安を見据えた過剰発注なども懸念されている。患者が安心して医療を受けられるよう、医療用物資の安定供給が急務の課題だ。

 

 イランによるホルムズ海峡の事実上の封鎖による原油価格の高騰は、医療用ガウンや注射器、点滴バッグ、カテーテルなど原油由来のプラスチック製品を含む医療資材や医薬品の製造・供給コストに大きな影響を与える。在宅医療の現場においても、移動時の車両の燃料代が膨む恐れもあり、コストの高騰の負担が最終的には患者に転嫁される恐れもあり、政府の対策本部を設置して対策に乗り出している。

 

公益社団法人「全日本病院協会」は3月、厚労省に対し、医療材料や医薬品の提供体制の安定化を図るよう提言した。 具体的には「医療材料や医薬品の輸送は国民の生命に直結する重要なインフラ」として、有事における優先輸送体制を構築するよう要請。このほか、医療物資を国家レベルで備蓄する制度の整備や、海外依存度の高い医薬品の国内製造基盤の整備なども求めた。

 厚労省と経済産業省は、医療用物資の安定供給を図るための対策本部を設置した。厚労省は4月には、災害時に都道府県をまたいで医療機関の状況が共有される「広域災害救急医療情報システム」の活用も開始。全国の医療機関から不足が懸念される製品情報を報告してもらい、経済産業省を通じて石油素材の元売り業者らに安定供給を促している。

 厚労省関係者によると、5月上旬時点で8200以上の事業者から医療資材の供給不足についての相談が寄せられており、70品目以上で安定供給に影響が出ているという。

 特に医療現場への影響が大きい医療用手袋については、調達不安の解消に向け、政府が備蓄している5000万枚の放出を決めており、5月下旬にも配送を始める見通しだ。

 人の生命に関わる医療現場に混乱を生じさせないため、政府は引き続き手厚い支援策を続ける必要がある。(桜田亮)

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