2026/07/13
骨折治療に欠かせない義肢装具が、義肢装具士の不足を背景に、医療現場で十全に使用できなくなるのではないのか――そんな暗雲が漂ってきた。
さる7月4日と5日の2日間にわたって、日本義肢装具士協会は、札幌市教育文化会館で第32回日本義肢装具士協会学術集会を開いた。「義肢装具とEBM」「義肢装具士に求められる災害リハビリテーション支援」など臨床の主題に加えて、「義肢装具士養成教育の現状~義肢装具士養成における構造的危機と持続可能な教育基盤の再構築~」が取り上げられたことは、義肢装具士の不足を憂慮する現状を物語っている。
義肢装具士の国家資格取得者数は、1988年の第1回国家試験から25年の第38回まで合計6470名だが、定年退職や出産・育児による離職、他業界への転職などで従事者数は3800名に満たないと推計される。 日本義肢装具士協会は、厚生労働省の調査で深刻な認識を表明した。
「現状のままでは補装具費支給制度における障害者・児の日常生活および就労・就学、ならびに健康保健法における患者の治療、いわゆる国民の保健・医療・福祉の向上どころか、維持すらできなくなる危機的な状況に陥る恐れがある」
厚労省の救急・災害医療提供体制等に関するワーキンググループは「高齢者数の増加に伴い、脳梗塞・肺炎・心不全・骨折などによる入院が増加することが見込まれる」と指摘している。骨折治療の需給ギャップを是正する道筋は立っていない。(小野貴史)
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