2026/07/12
犯罪を理由とした医業停止の行政処分中にもかかわらず医療行為を続けた医師が、医師法違反の疑いで逮捕された。勤務先の病院は、採用時に行政処分中であることを確認していなかったといい、品性のかけらもない医師が問題なのは当然だが、患者を預かる病院としてあまりにもお粗末な対応と言えそうだ。
■95人の患者を違法に診察
大阪府警は6月24日、医業停止3か月の処分期間中、延べ95人の患者を診察したとして、和歌山市今福の元内科医、平田桂資(けいすけ)容疑者(39)を医師法違反の疑いで逮捕した。平田容疑者は、窃盗罪などで略式起訴され、昨年12月から今年3月まで医業停止となっていたが、この期間に計約180回にわたって診察や薬の処方などの医療行為をしていた疑いが持たれている。
医師は、裁判官と同様に医師法で手厚く保護されており、犯罪で有罪が確定したとしてもすぐには行政処分とならず、厚労省の医道審議会での議論を経て処分が決まることになっている。
逆に言えば、それだけ医師に対する行政処分には重みがあるということだろう。
それにもかかわらず、平田容疑者は大阪府泉佐野市の病院で常勤医師として勤務する傍ら、同市や和歌山市内の別の2病院でも非常勤内科医として勤務していたといい、医師としてのモラルが欠けているのは当然だ。
■病院側も猛省すべき
今回は、勤務先の病院の脇の甘さも看過できない。行政処分は公表されており、医師・歯科医師の検索サイトでも処分期間中はその処分内容が表示されることになっている。
氏名で少し検索すれば、平田容疑者が行政処分中だったことも分かるはずなのに、把握しないまま医療行為をさせており、その杜撰な対応には呆れるばかりだ。
捜査関係者によると、第三者が病院側に指摘して問題が発覚後、病院が府警に通報したという。
行政処分期間中に新たな犯罪に手を染めた平田容疑者は論外だが、人の命にも関わる仕事を担う医療機関として、病院側も猛省すべきだろう。(桜田亮)
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